こんにちは、きいなです😊
独学だけど
イースト臭がしない、日にちが経っても美味しいパンを作りたい!
第2回は、パンの″老化″についてです。
こちらは少しマニアックな内容かと思うのですが、私の理想のパンを作るには
そもそもどうして手作りパンが翌日美味しく無くなることがあるのか?パンの老化とは何なのか?ということを知る必要があったのでシェアさせていただきます🍞
パンの″老化″とは?要因は?
そもそも、パンの老化とは何なのでしょうか?
パンの老化とはパサつきのことです。
その要因は2つあります。
1)パンの中に含まれる水分が時間が経つことにより気化してしまうため。
2)一度加熱により膨潤してα化したデンプン粒が冷却によって生デンプンの組成に近い状態に戻ってしまうため(β化)。
水分の気化というのは想像していた方も多いと思いますが、2つ目の要因は少し難しいですね!
え?β化???という感じです。
後ほどそれぞれについて詳しく見ていきますが、どちらにも共通して言えることは
パンの中の自由水をできる限り少なくすることがパサつき防止には重要ということです。
自由水?
ポイントとなる自由水とは何なのでしょうか?
パンは小麦粉、水、塩、イーストがあれば作ることが可能でこれらは主材料と呼ばれます。
レシピにより副材料として砂糖やバター(油脂)、牛乳などを加えます。
この主材料″水″は、パン生地が出来上がると自由水と結合水に分かれます。
自由水とは、何も溶けていない純粋な水
結合水とは、この自由水に塩や砂糖が溶けているものです。
自由水のままでいると、時間が経つにつれて気化してしまい
水分を失うに従って、デンプンも老化(β化)していきパサついてしまいます。
そのため、生地中の水分を多く結合水にできればパサつきは軽減されます。
ちなみに自由水が少ないとカビなどの微生物発生も抑止できます。
結合水を増やすには?副材料、レシピの検討→リッチパンはパサつきにくい
では具体的に結合水を増やすにはどうすれば良いでしょうか?
まずは、副材料やレシピで改善できる方法です。
リッチパン(砂糖や油脂、卵などを多く含むパン)は、リーンパン(主材料のみのパン:フランスパン等)よりもパサつきにくくなります。
その理由は主に下の3つです。
1)油脂によって水分の蒸発を防ぐことができる
→油脂中のリン酸脂質が生地中の自由水を乳化させ、油脂で水の分子を包み込みます。
油脂で包み込まれた水は気化しにくくなります。
2)卵黄の働きで自由水が油脂に取り込まれやすくなる+デンプンがβ化しにくくなる
→卵黄に含まれるレシチンという成分の働きにより
・油脂と遊離している水(自由水)を小さな分子にして拡散させ、油脂の分子層に取り込むための仲立ちをしてくれます。
・焼成中にデンプンが膨張して膨潤、糊化する際に発生するアミロースと反応してゲル(ゴム状の物質)を作り出します。これが焼き上がったパンのデンプン粒を覆って保護し、β化しにくくなります。
卵について重要なのは、必要なのは卵黄のみということです。
卵白は90%が水分で、その他は主に水溶性のタンパク質となり、どちらもパン作りには必要のないものです。
3)砂糖の保水性
→砂糖をはじめ糖類には保水性があります。
糖類は水と仲がよく、糖類と水が結びついた状態でデンプンの構造内に取り込まれます(結合水となる)。
糖類の中でもハチミツは特に保水性が高いようです。今度実際に比較検証してみようと思います!
保水性があるからと言って、多くの糖類(12%以上が目安)を入れるときにはイーストは耐糖性にするという注意点があります。
イーストにも色々と特性があると知ったので別途記事にしますね!
この記事のまとめ+続き!
今日の記事をまとめると
油脂、卵、糖類の多いパンは、パサつきにくい!
確かに私も以前、仕込み水が卵+牛乳+生クリームのみ、砂糖B%15%のパンを作ったときには数日しっとりが継続していました。
※B%はベーカーズパーセント。粉量に対する%のことです。
でも、そこまで多くの副材料を入れないパンを作りたい時もありますし
リッチパンも、よりパサつきにくくしたい!
というわがままな思いがあり🤣
次の記事では、副材料を増やすという以外の方法を検討します!
ぜひお楽しみに!
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